IELTS

#31. IELTS「運営側の立場」を考えてみる

本記事ではIELTSを多面的に考えていこうと思います。

簡単に言うと運営側の立場ということ。IELTSやTOEICといった英語試験のみならず、高校受験や大学受験等ありとあらゆる試験に共通する内容であると思います。

問題作成者は誰かのお父さんお母さん

まず始めに、私を含めた受験生の立場からすると、問題作成者は私たちを騙そうとする冷酷非常な人間のように思ってしまいますが、恐らく誰かのお父さんかお母さんです。

そして、与えられた(もしくは自分で選んだ)材料から問題を作成するということが仕事の会社員でもあります。育児で悩んだり、両親の介護で頭を悩ませている可能性もある血の通った人間なのです。

更に彼らが大変なのが、毎回の平均点と同等レベルの正答率にしなければならないという難しい使命を背負って、う〜ん、と悩みながら私たちの為に問題を作成して下さっているのです。

問題が難しく、平均点のレベルが下がるとどうなるか。例えば、その試験でトータルスコア6.5を得点せねば入学申し込みに間に合わない受験者がいて、問題が難しく目標に届かなかった場合、彼らから文句が出ます。いつもと同じレベルであれば得点できたと。そうクレームです。

そのクレームを直接受けるのは問題作成の部署ではないと思います。しかし、必ずその連絡は伝わってきます。まずはその問題を承認した上司にお叱りが回って来て、本人にもその御鉢が回ってくるはずです。

事なかれ主義に走る

人間は怒られたくない生き物。上記を避ける為にどうするか。勘の良い皆さんあれば既にお分かりかと思います。そう、事なかれ主義に走るのです。前例主義とも言えます。

どのような材料を用いるとしても、文章のレベルが難しい場合、選択肢や問題形式を要約の空欄を埋める問題にする等で優しくして調整してあげる必要があるのです。

逆に文章のレベルが優しいものであれば、選択肢を難しくする等で正解者の人数が極端に増減しないように調整するのです。

問題に傾向や癖が出る

さらに問題作成部門の人数も何十人の人たちが作っている訳ではないと思います。

起案者がいて、その人が過去の問題を参考に、新しい問題を作り、上長の承認を仰ぐ。多くの会社と同じスタイルと予想できます。問題作成に携わる人間が決まっていると考えられます。するとどうするか。

問題に傾向や癖が必ず出てきます。安全策を求めるのです。あまり問題形式を変えて、平均点に大きく影響が出たらどうしよう、それならいつもの問題形式で今回も行こうとなります。

その上司も過去の事例で上手く進んでいるので、前例主義に乗っ取って承認します。その流れで問題が最終承認されるのです。

対策書は問題作成者の傾向や癖をまとめたもの

私が社会人になりたての頃、昇進にTOIECの得点が必要だったので、TOEICのフォーカスした勉強にほんの少しだけ取り組みました。

その際は、範囲の勉強しようがないから難しいんだと思っており、TOEICの対策本など読んでも意味がないと思っていました。正直に言えば、『TOEICこれだけ覚えれば900点』的な問題集に胡散臭さを感じたことは今も記憶に新しいです。

しかし、今では専門対策の参考書は理にかなっていると考えが変わりました。上記で述べた様にこの手の試験は上記の理由から必ず傾向や癖が出てくるからです。問題を分析しその傾向や癖をピックアップして、それらをまとめたものが対策書となります。

大学受験や公務員試験の予備校講師陣は、問題作成者の傾向や癖を熟知されたプロ集団です。どういった人間を正解にする為にその問題が出されたのか、また次の試験ではどういった問題が出題されそうか予測できる多面的な視野を持たれています。

ときに問題の傾向が変わるのは、人事の入れ替えで問題の制作者が代わり、正義感を持った方が改革に乗り出るときではないでしょうか。

そうでもなければ、仕事も楽に進む前例に沿った内容で問題を作成してくると予想できます。テストの信用度が落ちるようなことがあれば受験者が他の試験に流れてしまいますからね。そうしたら他の会社と同じ、お給料が減ります。会社への収入が減るので当然です。

だから同じような問題を作って石橋を叩いて渡る戦法で進むのです。特にリーディングやリスニングではこれは顕著だと思います。

試験問題作成も社会の縮図に過ぎない

試験をある一定のレベルに安定させる為に毎日うーんと悩みながら考えており、言うなれば汗と涙の結晶です。もしかすれば子供たちとの約束を破って休日出勤し、稟議書を書き上げようやく承認を得たのかもしれないのです。

妄想に走りすぎましたが、この予想は案外間違ってないと思います。これは社会の縮図のようなものだと思います。全体が見えてくると、少しずつ仕組みが見えてくるのです。

この記事を読んでいただいてIELTSその他の試験のイメージが少しでも変われば幸いです。近所のおじさんや、友人のお父さんお母さんの様な身近な方が仕事として悩みながら皆さんの為に作成して下さっている有り難い問題です。

私は敬意を払って問題に取り組むようにしています。文量が多くとも、問題数が多くとも、寛大な気持ちで問題を解けるようになります。お父さんお母さんが作ってくれた問題なのだから。

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