ライフ

#62. 馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない

日本の英語教育に関して、”学校の授業は読み書き中心で、話す訓練が足りない。だから日本人は英語が喋れない。”というような意見をよく耳にする。私がよく使うYahoo!ニュースの教育関連の記事でもこの手の内容は定番。

”ごもっともなご意見”だ。

事実、この意見に関して私も納得していた時期もあった。

それは海外に出て、少しばかり英語が使えるようになった頃。日本の教育に関して意見ができるような錯覚に陥った。そして、今の自分たちが英語を身につけるのに苦労しているのは日本の教育が原因だと、諸悪の根源のように考えていた。

しかし全て日本の教育が悪いのだろうか?

確かに、日本における現状の学校の授業のみでは、いくら勉強しても英語を話せようになる希望は限りなくゼロに近いと今でも思うが、全て責任を押し付けるのは違う。

本当に英語を話せるようになりたい人は、自ら行動し、話せるようになる。

結局は単なる本人のやる気次第。

行動力。

そもそも日本人が英語を喋れない最も根本的な理由は、日本の英語教育ではなく

『英語を使う必要性がない』

という一文に集約される、と思う。

例えばインターネット。

今の40代以降の方は学校でパソコンを習っていないと思うが、必要に迫られて使えるようになっている。

日本の英語の位置付けは”良い大学に入る為の手段の1つ”であって、日常で使う場面はほぼゼロ。さらに英語が喋れなくても、学歴さえあれば良い会社に入れる。(少なくとも現状では)

つまり日本で生活する上で、英語ができないことによる支障は受験以外にはないのだ。これではまず喋れるようになるわけがない。政府が移民を受け入れ、外国人が街に溢れている状態にでもしない限り、普段の生活から英語が喋れるようになる環境にはならない。

だったら英語教育は現行のように読み書きできる能力を養うことに焦点を当てて、それ以上学びたい希望する人間に対する留学支援を充実させることの方が求められるべきことではないかと思う。

例えばTOEICの点数が900点の人と、300点の人では、同時に海外に出ても英語の習得速度が全く異なるし、同じ時間滞在しても習得量も大きく異なる。

それであれば、日本の教育の目的はこの900点に近づけることと割り切ることも考えの1つということだ。(TOEICはあくまで一例)

仮に授業で英語を喋る機会を増やしても、その程度の時間であれば単なる付け焼き刃に終わる可能性が高いように思える。

英語に興味がない人に、いくら授業で身につけさせようとしても意味がない。結局、自分が必要性を感じて行動するかどうか。

馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない。

だったら水を飲みたいと言われたときに、十分な水を与えられるようにすることが大事。英語で言うなれば、前述の留学支援がそれに当たる。

第二言語として英語を喋れるようになるには、絶対的に話す量が必要。英語の環境でで日々試行錯誤し、繰り返し口から言葉にしていく過程で脳に回路が構築されていく。

残念ながら、その時間を日本で確保するのは難しい。

だから海外に行くという選択肢は理にかなっている。生きる為にその国の言葉が必要だから、必死に覚える。喋らなければ死んでしまう。友達もできない。

語学に限らず、物事の習得は必要性を感じるかどうか。

行動力。

結局、ここに尽きると思う。

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