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68. 寓話『鎖につながれた象』から学ぶ人生の話

『鎖につながれた象』

これはブエノスアイレスの精神科医、ホルヘ・ブカイさんが書いた寓話。

あるサーカスにその巨体と怪力で活躍している象がいた。その表の姿とは裏腹に普段は小さな杭と鎖でつながれており決して逃げようとしない。その怪力をもってすれば、その体よりずっと小さな鎖など簡単に壊し逃げられるのに。

なぜだろう?

この象が逃げようと行動を起こさないのは、子供の頃からずっと鎖につながれてきたことが原因だ。子供の頃は鎖を壊そうとしても力が足りず、できなかった。しかし体が大きくなり、十分な力がついた今でさえ、行動を起こさない。

なぜだろう?

その理由は、過去の記憶による”自分には鎖を壊すことは不可能”という思い込みだ。

”自分には鎖を壊す力はない、やるだけ無駄。やめておこう。”この象の気持ちを代弁するなら恐らくこうなる。

この話を一言でまとめるならば、『過去の経験による思い込みで、自分の可能性に蓋をしてしまった象のお話』になると思う。

これは他象事ではない。

人間も、この象のように過去の経験による思い込みから自分の行動に制限をかけている。過去のたった一度の経験から、”これは自分には無理だ、苦手だ。”と思い込み、それが現在の私たちの可能性に蓋をしている。

目の前の壁は今であれば登れる可能性もあるのに、迂回する方法ばかりを考える。登ったらそこには人生観を変えるような景色が広がっいるかもしれないのに挑戦しないから決して見ることはできない。

具体例を挙げよう。

『食わず嫌い』だ。

子供の頃に食べた記憶が”マズい”のままであれば大人になっても食べようとしない。大人になれば考え方や身体だけでなく味覚も変わる。今食べれば美味しいかもしれないのに、思い込みから食べようとしない。

食べてみたらそれが大好物になるかもしればい。極端だが、その美味しさに魅了され、その食べ物の研究者になる可能性もゼロではない。

『食べず嫌い』は、挑戦せず、過去の思い込みで自分の可能性に蓋をしてしまっている身近な例である。

子供の頃の経験による、苦手意識を払拭するのは確かに難しい。だが、私たちの行動の選択の裏側にはこういった過去の経験に思い込みによる制限が存在するということを認識することが、その為の第一歩だ。

この寓話はそんなことを教えてくれた。

この人生、多くを経験し、楽しんだ者勝ちである。

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